神社

08/05/22

私は大変なおばあちゃんっ子で、中学になってもよく祖母の家に遊びに行っていました。

父方の祖母なのですが、父親は私が幼いころに不慮の事故で死去していました。祖父を早くに亡くした祖母は、唯一の血縁者だと言って私をとても可愛がってくれました。

しかし母親はあまり祖母と仲が良くなかったのか、一度も一緒に祖母の家に入ることはありませんでした。

私は毎週日曜日の午前中に、祖母と神社にお参りに行くのを日課としていました。大変信心深い人だったので、雨の日でも必ず行き、父が他界して間もないころから欠かすことはありませんでした。

祖母とつないだ手はとても温かく、私はお参りが大好きでした。祖母はいつも手を合わして、深々と礼をし、ずいぶん長い間目を閉じてお祈りをしていました。

私はいつも単純なお祈りだけをし、祖母の真剣な横顔を眺めていました。終わってからいつも

「何をお祈りしてたの?」

と聞くのですが、祖母はニッコリ笑うだけで一度も答えてくれませんでした。

私は気にすることなく、毎回帰りに買ってもらうアイスを楽しみにして、祖母とおしゃべりをしながら帰りました。