小学生の頃からオタク全開だった私は
本・DVD・ドラマCD・イメージCDなどに小遣いやお年玉を費やし
タイミングが合えばクリスマスや誕生日に買ってもらってた。

中学入ってからは新聞配達のバイト代、
高校入ってからはファミレスのバイト代を注ぎ込んだ。

親は「いい加減に本を捨てなさい」と言うが
一度、軽トラの荷台が埋まって過積載寸前レベルまで整理したので
(ブッ○オフで買取¥10万超えた)
「もう少し減らしなさい」と言われるものの
私は「自分の部屋だから自分の好きなように片づける」で押し切った。

下手に本を奪うと、寝食を忘れるレベルで本に依存していたので
親も手が出せなかったらしい。

そして大学卒業後、地元に就職したころに家をリフォームすることになった。
その間の仮住まいは、今までの家&リフォーム後の家より狭い。
当然私の部屋も狭い。

貸倉庫なんてものはない田舎だったので、近距離に住む祖母に

「引っ越しが終わるまで預かってもらっていい?」

と風通りのいい二階の空き部屋を借り、
除湿剤などをきっちり詰めて置かせてもらった。

うちの一族は、私も弟も いとこ達も祖母が大好き。
両親には反抗しても祖母が悲しそうな顔をすると
何も言えなくなって良い子になる。
優しい祖母を悲しませるのは絶対に嫌で
親子喧嘩しても母が祖母にチクッたら速攻謝ってた。

リフォームが終わり、ウォークインクローゼットの中には
作りつけの本棚をたっぷりつけてもらい
これで大事な本やDVDを書店のように綺麗に並べられる!
とウキウキして祖母宅へ。

祖母がきょとんとして

「本?あの捨てた箱のことか?」

と言った時が私の修羅場。

もう手に入らない、手○治○の復刊セット、スラム○ンクの完全版、
銀○英○伝○のDVDセット、独眼○政宗の完全版セット、
ら○ま1/2のDVDセット、藤本ひとみのドラマCDセット…

全て、『厳重保管』と書いた箱に詰めていた。でも祖母はそれを見てなくて

「預かった本は、確か捨てておいてほしいって言うてたな」

と壮絶な勘違いをして、本は持ち山まで運んで埋め
(紙だから土に戻るという説)
DVDとCDはきちんと叩き割って資源ゴミの日に出していた。

買い揃えたら7桁は確実な本、DVD、CDの悲惨な末路に声も出ない私。
引き取る為に同行していた母、爆笑。

「お、おかーさんが、あの本、捨てよったら、あんた、絶対、キ○ガイみたいに暴れるのに」

と涙目で笑っていた。

「おばあちゃん相手やから何も言えんなあ」

とひたすら笑う母。

笑うしかなかったのだと思う。私がどれだけ苦労してそれらを集め、
大事にしていたか知ってるから。

祖母はうろたえて

「捨てたらあかんかったのか。ごめんなあ、どうしようなあ、
おばあちゃんお金下ろして買ってくるから許してくれるか?」

と泣きそう。

お金出しても買い揃えられないよ…と言えなくて、

「ううん、かまへんよ」

と笑ったつもりだけど、たぶん泣いてた。

祖母はこつこつ貯めていた老後のお金
(お葬式とか供養とか仏事、そういうのの費用)
を全額下ろしてきて私に土下座せんばかりに謝った。

おばあちゃんにこんなに謝らせて、でも

「気にしないでいいよ、捨てるつもりだったんだから」

と言えなかった自分を未だに後悔している。

祖母の葬儀の後で、遺品の中に

「○○(私)の大事なものを捨ててしまいました。
仏様にお祈りしても戻りません。どうしたらええですか」

と書いてある日記帳を見つけて号泣した。

オタクな孫でごめんよおばあちゃん…



19 :名無し@おーぷん 2016/03/07(月) ID:SQp
今までにあった修羅場を語れ【その17】