スーツの拳

16/07/19
今だからこそちょっと怖いと思える話。

俺は小学生の時に空手を習ってたんだけど、年に1回合宿があった。1泊2日と少し短い合宿だけど、楽しいから毎年参加していた。

これは小学4年生くらいの時だった。合宿の行き帰りはバスで往復6時間というところだったと思う。




合宿2日目、帰る時間になり荷物整理をしていると、帰りのバスが合宿所に到着した。みんながバスに乗り込む中、俺の所に知らないオッサンが来て

オッサン「〇〇君、送ってやるよ」

俺「バスあるので」(なんで名前しってんだ)

オッサン「いや、俺が送ることになったんだよ」

車の後ろに空手道着があった。

俺「あ、はい、じゃあお願いします」(名前知ってるってことは空手関係の人かな?何か問題があってバスの空きがなくなったとかか)

車はスポーツタイプのインプレッサだった。その人はかなりいい人で、コンビニによってハーゲンダッツをおごってくれたりした。

ただ方言が強すぎて何言ってるか全くわからなかった。そして誘拐されるということもなく無事家についた。

気になったので後で空手の師範に誰なのか聞いてみると

師範「え?あれお父さんじゃないの?迎えに来たのかと思ったよ。」

普通点呼取るときいなかったら聞くだろ

俺「全然知らない人です」

師範「知らない人についてったらダメだろw」

いまだにあれが誰だったのか分からない。それに、なんで俺の家と名前を知っているのかも。親に聞いてみても知らないと言うし。