骸骨

10/11/08
怖い話。

私は地方で一人暮らししている女です。古いアパートに住んでます。そのアパートでの話です。

ある日、アパートに帰ってきて郵便受けを見ると、中にカッターナイフが入っていました。カッターは、文房具屋に売ってそうな普通のカッターです。

最初にそれを見たときは怖いとは感じず、何コレ?と思いながらカッターを取り出して、マナーが悪いかもしれませんがその辺に置いていきました。

しかし次の日も次の日もカッターが入ってました。なんなんだろう、ストーカーかな…?と思ってました。




そんなある日、いつもより早めにアパートに帰ってきました。

そこでばったり、私の郵便受けのふたを開けて何か入れてる人を見てしまいました。痩せた女の人でした。

怖かったけど、少なくとも大柄の男性とかじゃなかったので、やめてください、と言いに行くことにしました。

女の人は意外と普通な人に見えました。すみませんすみません、と謝ってくれました。

私は、

「なんでこんなことしたんですか」

と聞きました。

すると女の人は、なぜかゆっくりゆっくり頭を下げました。そして、すごく上目使いになって、私を見つめてきました。

で、低い小さな声で

「聞ぃきぃたいんですかぁー?」

と。私が何も言えずにいると、女の人は

「ふふふふふふふふふっ!」

と笑って私の郵便受けからさっき入れたらしいカッターを取り出し、自分の手首をザクザク切り始めました。

よく見ると彼女の手首には赤い傷跡がいっぱいありました。手首、というか、ひじの内側の辺りまでびっしり。

そして女の人は、私の隣の郵便受けに血の付いたカッターを突っ込むと、ふらふら去っていきました。

私の隣の郵便受けの人は、私と同じ苗字の人でした。