少女

14/08/16
いまから40年前。自分は中学生。

その頃の女の子たちは仲良し同志でお弁当を一緒に食べたり、トイレまで一緒に行く風潮があった。

自分はマイペース人間で、休み時間は太宰やゲーテ、ラーマーヤナを夢中で読んでいた。

自分が気ままに休憩時間を楽しんでいるのに、ある日同じクラスの女の子から手紙。

「あなたは孤独ね。私も孤独なの。孤独な者同士お友達になりましょう」




ウットオシイ、と思った自分、すぐ

「自分は好きなようにやってるんで、かまわないでください」

とお友達拒否宣言。

だけど、降るように送られる便せんにびっしりの手紙。そして行く先々に自分を見ている彼女の影。無視していたら

「あなたが私に答えないのは何かに圧力を受けているから。私たちはこの世を救うべく…の命を受けてうんぬんかんぬん」

その頃、時を同じくして自分の上履きに詰められる泥やガラス片。早朝張り込みで誰がやるのかを確認。案の定、彼女の仕業。

泥バケツと軍手で

「私じゃない!」

と泣きじゃくる彼女。

生徒玄関に駆けつける先生に連れられて私たちは校長室へ。私たちの言い分をそれぞれ聞いて、校長いわく、

「仲良くしなきゃいけません。ケンカ両成敗です。さ、2人とも握手して。…あなたも意地を張らないで、お弁当ぐらい一緒に食べると良いのですよ」

その時の握手した時の感触、パサパサに乾いた手のひら、まるで蛇と握手してるみたいだ、と思ったのが忘れられない。

そのすぐ後、彼女の家から出火。彼女はすぐどこかへ引っ越してしまった。ほっとした。

先日、彼女の姿を同窓会で見かけてしまって、当時の恐怖が甦ったので記念書き込み。

「あら、お懐かしい、また前のように仲良くしたいわ」

と笑っていた。