異様な家

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名無しさん@おーぷん 2015/06/21(日)10:47:31 ID:dcb
もう10年ぐらい昔のことだけど、その頃戸建の借家に住んでいた。

ある日、近所の空家(そこも借家)に引っ越してきたんだけど、あいさつもないし自治会長が訪ねても人はいるらしいのに出てこない。

軽自動車が1台あるんだけど、運転席以外はダンボールがみっちり乗せてあった。

すきまには汚いタオルや、ゴミにしか見えない袋状のものや、色褪せた古い雑誌がつめてあって、あれじゃあ運転席から左側と後の視界が取れないんじゃないかってぐらい。

あんなの走ってたら警察に注意されるだろうに。その車があまりにも異様だったから、その家のことはちょっと警戒し始めていた。

それが完全にオカシイと思い始めたのはある雨の日。ポツポツじゃなくてザーッと本格的に降っていた日に出掛けようとして目に入った。

雨の中をそこの奥さんが庭に布団を干そうと出してる最中だった。いや、干すどころか濡らすためとしか思えないし、なぜそうするのか意味不明。

その行為も異様だったけど、全くの無表情で雨を気にする素振りもない。なんかゾッとしてそれ以降は見ないようにして出掛けた。

その事があってから、元々なにか変だと思ってたのが確信になって、当時未就学だった子供たちには近づかないように厳しく言いつけてた。

その後隣市に引っ越して、その家のことはすっかり忘れてた。

が、昨年、当時仲の良かった近所の奥さんを訪ねて久しぶりにその街に行ったら、例の家があったところが更地になっててその奥さんに聞いてみたら、私が引っ越した翌年ぐらいに火事で全焼したらしい。

焼け跡から奥さんらしい遺体が発見されたそうだ。

大家さんいわく、夫婦と子供ふたりで入居するって話だったのに、奥さん以外見かけなくてオカシイオカシイと思ってたらしい。

何度か訪ねても奥さんしかいないし、質問には答えないし、玄関からすごい汚部屋で、とんでもない人に貸してしまったと困ってた所らしい。

おまけに火まで出されて死人が出ては建て直しても借り手もつかないしって更地にしてるんだって。

だけどもっと気の毒なのはもらい火事で半焼したお隣さんで、30代で頑張ってマイホーム建てたのに、そんなことになって奥さん泣いてたって。

うちに帰ってその話を家族にしたら、もっとビックリしたのが、子供たちがその家の奥さんのこと“怖いおばさん”としてよく覚えてたこと。

私が「近寄るな」と教える前に、そこんちの前を通った時、そのおばさんが

「おいでおいで」

と手を振ってきたそうだ。

だけどその笑い方がなんか変で、怖くて気持ち悪くて逃げてきたらしい。うちの子の危機察知能力に感心したし、何もなくて本当に良かった。


【百物語】奥様が経験した怖い話