神社

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本当にあった怖い名無し 2012/05/18(金) 13:42:20.58 ID:XyhKs1CA0
俺が小学生だった80年代頃の話。

友達のAとBと一緒に、Bが誕生日祝いで買ってもらった
天体望遠鏡を使って天体観測をすることになった。

俺の家とAの家は住宅街だったし、Bの家はうちから若干
離れていた田舎だったけど、庭でできそうもなかったので、
Bの家の近所の神社の境内でしようということになった。

夏休み中だったのでBの家で一泊する事になり、ある程度
夜更かしを許された俺達は10時頃までゲームをしていた。

そしてそろそろいくかーと虫よけスプレーなどして準備万端でいざ神社へ向かった。

境内に入ると虫の声が少ししていただけでほとんど何も聞こえず、
天体望遠鏡を設置して懐中電灯の明かりを消すと真っ暗になった。

最初は星座の名前を調べたりしてワイワイとやっていたが、
だんだん飽きてきた。低倍率の天体望遠鏡で見えるのは
ほとんど代わり映えしない恒星ばかりだったからだ。

そろそろ帰ろうか、という事になりライトを探すがどこにあるのか分からない。

管理していたAが、

「どこだっけ?」

と言いながら手探りで探し始めた。すると、どこからか

コーン…コーン…

という音が響きだした。

「なんだろう?」

Aが泣きそうな顔で必死に探している中、俺とBは
その音が気になり音の出どころである神社の隅に行ってみた。

俺たちは神社の鳥居をくぐって左手側の広場で天体観測をしていたんだが、
音は右手側の林からしていた。

音の方から明かりが見えた。遠目でもよく分かる、
白装束に身を包んだ人間だった。俺は丑の刻参りを知っていたので焦った。

Bはよくわからないといった感じで小声で

「何あれ?」

とか聞いてきた。叫びたい気持ちをおさえ、

「やばそうなので戻ろう」

とBに言おうとしたその時、後ろから

「おーい、懐中電灯あったぞー!」

と叫びながらAが懐中電灯のライトをぐるぐるとこちらに向けながら
走ってきた。コーン…コーン…という音が止まった。
バレた…終わった…そう悟った。

「逃げるぞ!!」

俺が叫ぶと、AとBはポカーンとしていたが、俺がダッシュで逃げるのを見て
パニくったのか、Aは泣きながら付いてきた。しかしBは

「天体望遠鏡!!」

といって広場のほうに行ってしまった。

鳥居を抜け、階段下の駐車場まで逃げた俺達はBを1分ほど待ったが、Bはこない…

「どうする?」

とAと相談したがAは何が何だか分からない様子。
そもそも煽られて逃げただけだから仕方ない。

戻ってBの親に言うべきか…自分の親に言うべきか…どうしよう、
と思っていると階段の上から明かりが降りてくる。

天体望遠鏡を握りしめ泣きながらBが降りてきた。
その後ろには手に蝋燭を持った白装束の女が一緒だった。

逃げたい気持ちをおさえ、Bの名前を呼んだが、泣きじゃくっているBから
返事はない。Aがライトを当てるとBはあちこちにケガをしていた。

すると女がいきなり

「ごめんね」

と謝ってきた。女も号泣していた。

5分ほどして落ち着いた俺たちに女は話した。
丑の刻参りをしていたが俺たちに見つかり失敗した。

俺は殺されると思ったが、女は

「失敗した」

程度であきらめに近い感情があっただけだったらしい。

だがそのあと大きな音がして驚いて広場のほうに行くと
盛大に転んだBが傷だらけになっていた。
泣き叫ぶB、自分のせいだと思ったのであろう女は責任を感じ号泣してしまったらしい。

幸いBは擦り傷だけで大丈夫そうだった。傷を清めの水で洗った後、
Bは泣くこともなくあっけらかんとしていた。

そのあと、駐車場にあった自動販売機で女にジュースをおごってもらい、少しだけ話をした。

女は市街に住むOLで嫌な上司にいじめられてる、という内容だった。
で、その上司を呪うために丑の刻参りをしたらしい。

話していると普通の女の人で、自動販売機の明かりで見たその顔は
むしろ美人な人だという感想だった。
ちなみに白装束だと思っていたのはただの白っぽい服だった。

その後、

「もしBのケガがひどかったら電話して」

と電話番号をもらった。

「夜8時以降か日曜日しかつながらないけど」

と言っていた気がする。

そして俺が天体望遠鏡を持ち、Bの家まで帰った。親には話さなかった。

一週間後、Bは何事もなく完治したので
女の人に一報入れておこうということになった。綺麗な人だったし、
もう一度会うのもいいかもとか少し期待してた。

多分俺以外もみんな期待していただろう。
なぜか口達者というだけで俺が電話することになった。

女が出て

「あの時は本当にごめんね」

みたいなことを言ってきたので

「気にしないでください」

とだけ言った。すると女が心底うれしそうにこう言った。

「そうそう、あの時の呪い、効いたよ」

俺は何が起きたのかは聞けなかった。結局、それから女に連絡はしていない。


ほんのりと怖い話スレ その84